ドラクエじゃないのに虹の架け橋を眼前に見た…第三回北海道旅行2日目(10/28)

yochi

2018年11月08日 20:22

洞爺湖で迎えた2日目、この日の目的は近隣の観光と室蘭、千歳を巡り、友人を見送って一人札幌に戻って明日に備える、ということになっています。

朝6時過ぎに起床。
前日は夜間で見えなかったが、宿から見える洞爺湖はなかなか美しく、奥には羊蹄山もかすんで見えた。
本来の予定では日没前に見れるはずが、翌朝までお預けだったので、なかなか美しい場所であることを実感できた。

支度を整え、宿自慢の温泉へ。
湯温が3パターンある内湯と水風呂、サウナがあり、露天風呂もあった。
まずは身体を洗い、ぬるめのお湯でひとっ風呂。
身体が温まってきたところで露天風呂に行くが、仕切りが少々圧迫感があり、空は少々見えるといった程度。
とはいえ、気温6℃で湯温40℃の温泉に浸かると、なかなか気持ちがいい。

友人と談笑しながら前日までの慌ただしさとはかけ離れてゆったりと過ごし、朝食も部屋で7時半からいただく。
カニは出ないが、旅館の食事としては満足いくもので、前日同様友人も満足そうであった。
この日は有珠山の西山遊歩道にチェックアウト後向かい、40分程度かけて2000年の有珠山噴火時に大きな被害が出た地域を見て回ることにしていた。

チェックアウト時に前日のビール代と入湯税を支払って後にし、レンタカーで西山遊歩道の駐車場に向かう。
鹿児島などの西日本の観光地では考えにくいことなのであるが、駐車場がいくつもあり、有料・無料が混在している。
止めきれない場合が有料なのであろうが、無料駐車場への案内を見ながら、本当に無料なのかと不安に感じつつも車を止め、坂を下って西山遊歩道の北側入口に入る。

かつてはここを車が太平洋側と行き来していたそうなのだが、現在は迂回路を通らないといけなくなったらしい。
それほど甚大な火山災害が発生したということになる。

入口で入山賛助金のような集金箱を見つけたため、100円入れて中に入る。
焼き芋を売っていたが、朝食直後でおなかいっぱいの自分には無理だった。
NHKのブラタモリでもタモリさんが歩いた国道の断層を見つつ、登っていくが、なかなかの登坂である。
横を見ると水没した道路と「止まれ」とかかれた一時停止標識、時速50km/hの最高速度標識が見え、火山災害でなかったとすると誰かのいたずらかと思うような不思議に思える世界が広がっている。
実際、歩いていた道も車が行き交っていたわけで、現在ではバイクでも厳しい。

噴火口が見える場所に出て、ようやく下れるかと思ったが、そこまでが結構きつかった。
ショベルカーは見えなかったが、ぐしゃぐしゃになった電柱と道路標識が眼下に見えて、とても道路だったとは思えない景色がそこにあった。

下り始めて少し歩くと、崩壊した菓子工場が視界に入った。
友人が「なんじゃこりゃ~」と、宮崎名物・なんじゃこら大福をほうふつとさせるコメントを出した後、火山の噴火の影響のすさまじさを感じ取った。
そのほかにも崩壊した家や放置された車両、地形の著しい変化を見て、桜島も危険だが、有珠山も危険だとつくづく感じるものがあった。

西山遊歩道の南口が近づき、ハイライトとなる「とうやこ幼稚園」跡にたどり着く。
園庭には通園バスが被害を受けた時のまま止まっているほか、園舎もところどころ噴石で穴が開いている。
極めつけは園庭にところどころ転がっている火山弾である。
御嶽山の噴火でも取り上げられたが、こいつに直撃されれば即死である。
枯山水式庭園の庭石のようにも見えるが、こんなものがばらまかれるとは、恐ろしいものである。
なお、この噴火に際しては事前に全員避難が行われており、犠牲者は出ていないことが幸いであった。

さらに1km歩いて給食センター前バス停にたどり着いたのが9時22分のこと。
32分でこのルートを走破したというのだから、もう少しゆっくり歩いても良かった。
実際、西山遊歩道の北口に戻るバスは定刻の6分遅れであった。

バスに揺られて次のバス停が降車バス停という展開ながら、迂回路から見る眺めもなかなか壮観であった。
西山遊歩道の駐車場に戻り、遊覧船には出航5分前に乗船。
結構でかい船だと思っていたら、乗船客がわんさか入ってきて、軽く200名は乗船しただろうか。
なかなかのにぎわいである。

3分遅れで出航し、小雨が降りだす中を中島に向けて船が進む。
景色が今一つながら、観光気分は悪くなかった。
しばらくして雨がやみ、日光が照らすと、あら不思議、洞爺湖の西岸と中島に虹の橋が架かった。

今年はドラゴンクエストビルダーズやドラクエ11でゲームに没頭しており、リアル虹の橋をお目にかかれたのは奇跡である。
ただ、スマホで写真を撮ったはいいが、窓を開けて撮らなかったせいで水滴が邪魔をしてしまっている。
まあインスタをやらない人なので、記念に残ればそれでいいのである。

中島で客の半分以上が下船し、次の目的地の昭和新山が見えてきた。
溶岩の粘り気が強すぎて溶岩が流れない火山と言ってよいのだが、平地がいきなり隆起したらどうなるのかが分かる貴重な場所である。
10時50分過ぎに下船し、宿の横を歩く際に気が付いた。
露天風呂は道路の横にあったのである。
そりゃ、仕切りの圧迫感が強くなるのは当然である。
わいせつ物陳列罪を未然に防ぐありがたい壁だったと友人ともども認識して、洞爺湖を後にした。

昭和新山には11時に到着。
当初の計画では、洞爺湖界隈の観光をバスと徒歩で行う計画であったのだが、ふっこう割を利用して洞爺湖の宿に泊まることができるようになったため、レンタカーと組み合わせた計画に変更したのであったが、友人から歩く区間を話したところ、彼からは深く感謝された。
それくらい、このエリアはレンタカーを活用した方が良かったということになる。

まずは駐車場から真正面にそびえる昭和新山を撮影。
こんな山が戦時中にできるのだから、まさに無為自然といった趣である。
三松正夫記念館を探して、まずはロープウェイ乗り場近くのトイレに向かうが、高校生の団体とすれ違う。
修学旅行で来ているのだろうが、なかなかの人数で圧倒される。
無事用を済ませ、方向が逆であることに気づき、駐車場出口の方へ向かって歩く。
途中、バスが止まっているところを見て、驚いた。
智辯学園和歌山高校と書いてあるではないか。
高校野球の強豪校の一つであり、あの中に来年甲子園に出場するかもしれない選手がいると思うと、少々興奮した。

なお、肝心の三松正夫記念館は臨時休館であり、近くのアイヌ文化を紹介するコーナーで韓国人女性客4人組のグループがアイヌ家屋に入るのを横目に、獲物の頭蓋骨を並べているコーナーやシャクシャイン像を見て、最後にもう1回中国人の家族連れが写真を撮る横で昭和新山を背景に記念撮影した。

時間も11時半と結構手短にはなったが、ロープウェイやクマ牧場は避け、お昼ご飯を摂りに伊達市内に向かう。
この区間は友人にハンドルを握ってもらうが、初の北海道での運転ながら、落ち着いたハンドルさばきを見せた。
事前に下調べをして、「翁」というお蕎麦屋さんが進行ルート上では人気ということで、カーナビにセットして向かう。
走ること20分少々。
無事に目的地に着くが、路上駐車の嵐であった。
助手席から降りて店の方へ向かうと、2組待ちだった。
駐車場にも2台空きがあることを確認、友人を誘導して無事に3組目の客として順番を待つ。

待ち時間はだいたい20分程度、と予想し、概ねその程度で着席するが、事前にメニューを見ていたことからスムーズに注文する。
蕎麦屋でたいてい頼む天ざるに、我が家の懐かしい味であるそばがきを注文。
30年近くぶりに食べるそばがきは、家のと異なり、優しい味であった。
料理を待つ間に名刺に手をやると、驚きの文言が書いてあった。
某著名料理店ガイド本の北海道版に名が載る店だったのである。
そりゃ~お客さん多いよね~と納得しつつ、そんなこともつゆ知らず、うまい店でうまいもんを食べたいと思って行った結果である。
洞爺湖といいこのお蕎麦屋さんといい、2日目はラッキー続きである。
なお、レンタカーでなかったら、伊達紋別駅周辺でご飯を食べる計画であったため、レンタカー様様であった。

お蕎麦屋さんを後にし、向かうは次の目的地の室蘭市内。
九州とさほど変わらないのどかな道を再びハンドルを握って地球岬に向かうが、白鳥大橋を渡れば室蘭市街地と記憶しており、そこに向かう。
白鳥大橋から眺める景色は瀬戸大橋に準ずる感じで、気持ちがいい。
製鉄の街でもあり、溶鉱炉やら高炉やら見て、北九州市よりも迫力があるように感じられた。
ループして下っていき、旧室蘭駅跡や現室蘭駅などを眺め、バスだったらこの辺で乗り換え連続・・・とか思っているうちに、母恋駅に出る。
目指す地球岬はここで右折し、坂道を上る。
道中、彼女の家に車で迎えにきた男性をやり過ごして、バスでは行かないきつい上り坂を上り、たどり着いたは地球岬。
地球は当て字で、もともとアイヌ語だったのが訛ってこの名前になったそうだが、地球が丸いことがよく分かるほど、広大な太平洋を水平線の先まで眺望できる。

幸せの鐘を鳴らし(JR肥薩線の真幸駅にも類似のものはあるが)、続いて少々山道を進んだ先にあるトッカリショ展望台へ。
屏風岩とも呼ばれる独特の地質を楽しむが、友人には今一つだったらしい。
そのまま山道を進むが、道道なのに道が狭い「険道」のような状況で、対向車が来たらヒヤヒヤ・・・と思いつつ、何とか抜けた。
しかし、東室蘭駅を出る列車に乗車するまでまだ3時間もある。
あまりに時間が長いので、GEOを見つけそこでNewみんなのゴルフのテストプレイをしたり、PS4ソフトを眺めたり、挙句の果てにワゴンコーナーにFF10&10-2のパッケージ抜き2,980円という目玉品を見つけ、悩んだ末に購入(★前日航空券5.2万円追加購入のため)し、オマケでPS2用のぷよぷよフィーバーを購入した。
FF10&10-2の中古価格が6,000円超だったため、それよりも半値で破格と判断してのことである。
FF10はPS2でクリアしてそれきりだが、リマスター版であることと、10-2未プレイのため、踏ん切りを付けた、といったところである。

何とか1時間つぶし、レンタカー返却のためにガソリンスタンドを探すが、日曜日の為休業しているスタンドもあり、なかなかうまくいかない。
途中、セイコーマートに初めて入り、店内をうろちょろしていたら店員から声をかけられる。
ウワサを聞いて九州から来たこと、アイスクリームを買いたいと伝えたところ、ドアの横のアイス売り場に誘導された。
無事、北海道産のアイスクリームが手に入り、ついででアクエリアス2Lペットボトルを購入するが、驚きの168円で買えた。
本来ならばポカリ1Lを買いたかったが、コンビニなのにこのコスパに感動ものであった。
なお、当然北海道滞在中で消費しきれるわけもなく、このアクエリアスは鹿児島まで持ち帰った。

その後もガソリンスタンド探しに苦戦し、ようやくGEOのすぐ近くのスタンドで給油できたが、おかげでガソリン代が軽く1,000円を超えた。
その分、室蘭各所を巡れたので、これで良かったと考える。
レンタカー屋にも無事16時前に到着し、返却を終えて、東室蘭駅に向かう。
帰りの快速列車の指定席券も確保しておき、時間をつぶして特急すずらん9号に乗車する。
前日の小樽といい、日没が近い時間のため、景色が見られるのはほんの10分程度。
あとは少々昼寝みたいな感じであった。

千歳駅に着き、下車する。
千歳駅で降りるのは、3年前の第1回の最終日で泊まる時以来である。
友人に自慢気に転倒したが事前に察知して受け身で無傷で済んだ場所を案内し、往時乗車したバス停を見るも、そこに利用したバス路線が見当たらない。
停車中だったバスの運転手氏に話を聞くと、乗り場が駅のそばに移ったらしい。
慌てて戻り、間一髪バスが発車して事なきを得た。

向かうは3年前に初めて食べて、ジンギスカンを気に入った店である。
千歳市街地ならバスは100円で乗れるので、友人もいたく気に入っていた。
バスを降り、歩くこと2分。
懐かしい通りの名前と店の看板を見て店内に足を踏み入れるも、ほぼ満員御礼状態。
往時も飲み会の客がお座敷を貸切にしていたが、この日も健在だった。
しかも有名人のサインが増えていて、Exileや出川哲朗など、10倍に増えていた。
というか、前回は訳のわからん韓国人のサイン1枚だけだったので、日本でも分かる人のサインが増えていることそのものがこの店のラム肉の旨さを証明していた。

3年前に写真を撮っていたので、比較になるが、野菜関連は正直もやし押しがすごくなっていた。
飲食店であるから原価率は気にするところだろうし、松尾ジンギスカンももやしが多いので、致し方ない気はする。
だが、この店のいいところは、お値段相応のお肉が食べられることに尽きる。
出川哲朗氏おすすめという厚切りラムステーキを頼んで友人と食べてみるが、確かにいける。

往時と同様に、食事メインでビールは1杯だけにしたのであったが、勘定は1人当たり4,200円。
前回が厚切りラムステーキを頼まないで3,400円なので、妥当なところ。
お値段は張ったが、友人もその味に満足していた。

帰りのバスも2分後に乗れたため、千歳駅に戻り、駅ビルを抜けて駅構内に入る。
時刻表によると、新千歳空港行きの列車が50分、札幌行きが52分に来るということで、2分の時間差を期待して友人と駅のホームのベンチで座って話し込んでいたのであるが、ジンギスカンの影響か、トイレに行きたくなったのである。
そこを我慢して、友人が乗る列車を見送って、自分の列車に乗ろうとするも、既に走り去ってしまった後だった・・・。
「2分差は何だったんだ~!!」と、指定席券が無駄になるのも無念だったが、駅員に事情を話してトイレに駆け込み、事なきを得た。

その後、次の列車に乗り込むが、奇跡的に角の座席が空いていて座ることができた。
まあ、運行頻度が高い路線だからこれでいいが、明日の札沼線新十津川行は1日1本、乗り過ごしたら即終戦である。

札幌駅に計画の15分遅れで着き、ホテルにも8分程度で到着した。
使い慣れたコンビニで翌日の朝食を購入して、就寝。
いよいよ明日は、札沼線と室蘭線を回って帰宅である。(3日目に続く)

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